幟に上がったヒナがいなくなった、その日の午後・・・
いつもにまして飛び回るつばめの多さと元気なさえずりに誘われて、ガラス越しに前の通りを覗くとあのヒナが飛んでいました!
ほかのつばめの様にツィーツィーと滑るように飛ぶのでなく、羽をせわしなく動かして尾もまだ立派な燕尾でなくどこかずんぐりした体形・・・すぐにあのヒナとわかります。
画像では、つばめの飛行速度があまりにも早すぎて3羽のつばめしか撮れなかったのですが、6~7羽の親つばめ達があのヒナを囲むようにして、通りを何度も行ったり来たり、励ますようにぴったりと寄り添って飛んでいます。
そして、疲れたのかヒナが斜め向かいの谷川洋蘭店さんのテントで羽を休めると、親つばめ達もヒナを気遣うように隣に降りて来るのです。
私は、ヒナは巣立ちの時期が来れば自然に上手く飛べるようになるのだと当たり前に思っていて、こんな風に親や他のつばめ達がヒナが上手に飛べるように見守り、一緒に飛んでサポートするなんて知りませんでした・・・
親つばめが巣をかける場所の下見をしていた時からずっと見ていたので、ちょっとむねが熱くなる思いです。
そして、まだ巣に残っているテント下の2羽のヒナ
こちらにも親だけでなく、他の何羽ものつばめがジュクジュク鳴きながら次から次へと飛んできます。
えさを与えるためではなく、さぁ飛んでごらんと巣立ちの時を教え、新しい世界へ誘っているようです。
それぞれの成長速度、性格もあるのでしょう。
この子たちは居心地の良い揺籃の巣からなかなか飛び立てずにいるようです。
でも、もしかしたら先に飛び立ったヒナは、生まれて間もないくせに巣から身を乗り出して落ちるのではないかとハラハラさせたあの子だったのかもしれません。
まだ巣立ちには日があるのに、1日も早く新しい世界に飛び立ちたかったのかも・・・そんな気がします。
遅くとも、この子たちも今週中には巣立っていくでしょう。
それまで静かにその様子を見守りたいと思います。